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人生の終わりに、”よく生きた”と思えるには?

  • 執筆者の写真: Sakura Nimura
    Sakura Nimura
  • 5月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:6 日前



今日は、少し深いテーマをお届けします。

日常ではあまり語られないけれど、誰もが一度は思いを巡らせたことのある問いについて。



前置き


わたしは普段、コーチングの傍ら、トランスパーソナル・ヒプノセラピーの一つである「中間世セラピー」を行っています。


このセラピーに訪れる方々は、「今回の人生の意味や目的」を知りたいという願いを持っていることが多いです。

深いトランス状態に入ることで、潜在意識にアクセスし、魂の視点から人生を眺めていきます。ソウルメイト、魂の成長、使命といったテーマも含まれる、非常に濃いセッションです。


このセラピーを提唱したマイケル・ニュートン博士は、細やかで論理的思考の実直な性格の持ち主。そのため、彼の著書もケーススタディーを元にしたリサーチベースになっている理論的な内容で、スピリチュアルなことを散策しているにも関わらず、地に足のついた内容です。その影響もあり、彼の著書に共鳴してセラピーに興味を持つ方々は、論理的思考が強い人が多いのが特徴です。


中には、比較的堅い職業に就いていらっしゃる方も多く、そういった方々は最初から深いトランスに入れるとは限らないため、セッションには時間もエネルギーも要します。でも、理論的思考の警戒がほどけて意識が深まったときには、それはそれは宇宙的で神秘的な、美しく深い物語が拡がっていきます。


セラピストである私にとっても、セッションをさせていた抱くことによって魂の在り方を学び直すような、大きなギフトになっています。



人生の意味を問うとき


「私の人生には、どんな意味があるのだろう?」

「成し遂げるべきことがある気がするけれど、それが何かわからない」

「人生の後半に差し掛かり、やり残したことがあるなら今のうちに知っておきたい」


中間世セラピーでは、こうした問いがよく扱われます。

また、大切な人を亡くされた経験をきっかけに、人生の意味や魂の存在に目を向けはじめる方もいます。


日常生活ではあまり話題にならないテーマですが、実はとても本質的なもの。

こうした問いを抱くことそのものが、すでに「意識の目覚め」なのだと感じます。



人生の意味とは「在り方」そのもの


これまで、年齢も人種もさまざまなバックグラウンドを持つクライアントさんたちに、このセッションを行ってきました。私自身も、「人生の意味ってなんだろう?」「どういう生き方をしたらいいのだろう?」という問いを、長年持ち続けていたこともあり、いろんな方との出会いやセッションが、自分なりの人生哲学を形作るうえで参考になっています。


そんな中、最近よく思うこと。


それは、「人生の意味や目的とは、“達成すべきこと”ではなく、“その人の在り方”そのもの」だということです。


目標達成や成果主義を重んじる現代社会の中では、私たちはどうしても「何かをやらなければ」「もっと成果を出さなければ」と思ってしまいがちです。クライアントさんたちも、そういった思考を元に、「自分は何を達成すべきだろう」と考えていらっしゃる、高い目標意識を持った方が多いのです。


でも、実際のセッションで、クライアントが受け取るメッセージは、もっとシンプルで本質的です。


「もっと心を開いて生きてごらん」

「自分らしさを大切にして」

「自分や他人を許して」

「不要な思いを手放して」

「もっと遊び心を持って」


クライアントさんたちの受けとるメッセージのほとんどが、“在り方”にまつわるものなのです。



在り方と目標の関係


最近では、目標とは、在り方を体験するための舞台装置のようなものなのでは、と考えるようになりました。在り方を体験するために、人はそれぞれの個性に合った目標を定めて、人生を体験していきます。でも、目標はあくまで舞台装置。在り方を体験して学ぶために、目標がある、という感じです。


たとえば、人生が突然変化球を投げてきたとき、その瞬間にどう“在る”のか。

その「打ち返し方」こそが、私たちの在り方を表しています。


なので、人生で自分が何を達成するべきかというのは、本質的には「この人生で自分はどう在りたいのか。」を、考えて試して、実践していくことなのかなと感じています。



毎朝できる、小さな習慣


では、どうすれば在り方を日々意識できるのでしょうか。

忙しい日々の中で、常に自分の在り方を意識して生きるのは、なかなか難しいものです。


おすすめなのは、毎朝目覚めたときに「今日、自分はどう在りたいか?」と問いかけてみること。


答えはシンプルでもいいし、複雑でもいいです。日によって変わっても構いません。

大切なのは、1日の始まりに「問いかける」ことを、静かに繰り返すこと。

それだけで、意識の中で「在り方」が占めるスペースが少しずつ広がっていきます。



「よく生きた」と静かに頷ける人生を


人生の終わりに、「自分の在り方を自分なりに大切にして生きてきた」と静かに頷けたなら、それはきっと「よく生きた人生」なのだと思います。


誰かと比べるのではなく、自分が自分にOKを出せること。

自分が好きなこと、ワクワクすることに向き合い、その中で自分らしい在り方を育んでいくこと。


そうやって生きる毎日は、自然とまわりの人や社会にも良い循環を生み出していくでしょう。


自分の在り方を問うことは、その人だけの美しい物語を紡ぐこと。

その旅の途中で、「今日という一日をどう味わいたいか」をそっと考えてみる。


そんな静かな習慣を、大切にしていけたら素敵ですね。


今回もまた、ちょっと哲学的なテーマでしたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。




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