人ひとりひとりが持つエネルギーがそれぞれにユニークなものであるように、土地や場所にもエネルギーがあると考えられます。建物が醸し出すエネルギーであったり、土地自体が持つエネルギーであったり。世界中にパワースポットと呼ばれる場所があり、たとえば古代から部族の人々や宗教家たちが特定の場所に特別な意味を見出してきたように、魔法や奇跡が起きやすい場所というのが存在しています。
今回は、そんな特別な場所のエネルギーとの付き合い方について、二種類に分けて考えてみました。最近ちょっとパワーが落ちているなと感じている方や、気持ちを整えたいと感じている方、ご参考くださいませ。
1)パワースポットとの付き合い方
どこかの神社やお寺、または自然の中に存在する特定の場所などで、何か特別な力を感じさせる場所のことをパワースポットと呼ぶことがあります。昔から知られている所やメディアなどによって多くの人が認知している場所もあれば、周りの意見とは関係のない自分にとっての特別場所もあります。でも、どうしてそこがパワースポットなのでしょうか。「ご利益があるから」という、日本人なら誰もがなんとなく納得してしまう理由の場合もあれば、神々しさを感じるからという理由もあるかもしれません。または、「元気になれるから」という本人のみに感じることができる感覚での場合もあります。
でもそれってなぜなのでしょうか。個人的に突き詰めて考えてみた結果、そこには究極の理由である、「その場所にいるだけで自分自身が肯定される気がする」というものがある気がしています。つまり、その場所のエネルギーを感じた時、自分自身の在り方について「いろんなことがあっても、私は私のままでいいのだ」と自然に感じることができるのです。普段は隠したり押さえている感情や想いでさえも、なぜか自然と力を緩めてもいい、解放させてもいいという気がするのです。
多くの場合、パワースポットは混んでいる所ではなくて、どちらかというと静かな場所なのだと思います。できれば腰掛けてその場のエネルギーを感じることに集中できるような所です。地球を感じさせてくれるような壮大な景色の中であったり、神聖さを感じさせる水辺であったり、自分の年齢の何倍もの年数を生きている大木がある場所や、古代から愛されてきた「神さま」が祀られている場所、または緑の多い自然の中かもしれません。そこにいると、まるで頭の中でチューニングが起きるような体験をして、すっきりするような場所。もつれていた思考の糸が解けて、ほっとするような場所。ときには、理由もなく涙が出てくることがあるかもしれません。
人は誰でも、ありのままでいいのだと感じたり、自分の体験してきたことが間違っていないのだと分かったりすると、心から安心することができます。普段の生活の中で「これで大丈夫なのかな?」と、自分自身に疑問を投げかけることが癖になっている自分自身に厳しい人であればあるほど、自分よりも大きなエネルギーに「だいじょうぶだよ」と伝えられると安心できるものです。パワースポットには、私たちを本来あるべき状態である「ありのままの自分」を思い出させてくれる不思議な力があります。
ただ、パワースポットは、誰にとっても同じように働きかけるというわけではありません。自分の個性やエネルギーのあり方が、その場所のエネルギーと絶妙に反応し合って起きることなので、そこが有名なパワースポットだからといって、自分にとってのパワースポットになるとは限りません。自分にとってのパワースポットは、自分にしか分かりません。直感に従ってその場を訪ねて、自分自身で感じることでしか、見つけることができないと思います。自分のパワースポットを見つけたいという方は、アンテナを立てて心惹かれる場所に出かけてみましょう。
一つおすすめなのが、パワースポットに元気をいただいたら、その感謝の気持ちをお返しをすることです。小さなことでも構いません。たとえばその場のゴミを拾ったり、その場の植物に水をあげてみたりなど。お賽銭を納めることができる場所であればそうしたり、その土地を美しく保つために寄付をしたり、ボランティア活動があれば参加してみたり。お礼の気持ちを小さくても形にして表現することで、その場所のエネルギーとさらに深く繋がれるようです。
2)インスピレーションをくれる場所
インスピレーションをくれる場所は、自分の価値観を肯定してくれる特別な場所です。たとえば建築に興味がある人は素晴らしい建造物のある場所がインスピレーションをくれる場所かもしれません。素晴らしいデザインの建物や空間の中にいるだけで、自分の創造力が刺激されてクリエイティブな意識が高まってくる。そんな場所です。
ファッションや美に興味があるのであれば、そういった意識が高い街の中にいるとさらに刺激されてやる気が湧いてきます。食に興味がある人であれば、素晴らしいシェフのいるレストランやキッチン、珍しい品々が並ぶ食品店、またはこだわりの生産者がいるマーケットなどがそういった場所かもしれません。
静かな農村などの、地に足のついた穏やかな生活をする人たちがいる場所にいくとインスピレーションをもらえる人もいます。とにかく、自分の価値観や興味の中心、人生観などとリンクしていて刺激をもらえる場所が、インスピレーションをくれる場所です。「憧れ」や「ときめき」のような気持ちを与えてくれたり、素晴らしいと思える何かを感じる特別な場所は、パワースポットのように自然の中や神々しい場所というよりは、どちらかというと人の手によって作られた場所であることが多いようです。人の知恵や知識やセンスが凝縮した場所、または賢人や先人のエネルギーを感じられる場所である場合など。パワースポットが人間よりも大きな力のエネルギーによって自分を元気にしてくれる場所だとしたら、インスピレーションをくれる場所とは、人が気持ちや意思を込めたエネルギーを注いだ場所であり、それに共感した自分がその場所から刺激やアイディア、勇気をもらう。そんな場所のような気がします。
頻繁にそういう場所に行けない場合や、その場所がとても遠い場合には、写真やイメージを飾っておくことで、その場所のエネルギーを感じることができます。「憧れ」や「ときめき」は素晴らしいインスピレーションです。生活の中にその場所のエッセンスを少しでも取り入れたり真似してみるだけでも、そのエネルギーの恩恵を受けてインスピレーションを高めることができます。これはパワースポットも同じで、場所エネルギーや空気感は、実際にその場にいなくても、イメージを通して私たちに繋がりを感じさせてくれる不思議な力があるようです。
以上、ポジティブなエネルギーを与えてくれる場所のエネルギーについて考えてみました。皆さんは、どんなパワースポットやインスピレーションの場所を持っていますか?
今の自分は、どんなエネルギーと繋がりたいですか?
ぜひ思いを巡らせてみてください。
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