静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は、はじめての干し柿づくりです。
里山へ引っ越してすぐ、敷地内に何本かの柿の木を発見した。柿初心者の私は、柿を見て甘い柿か渋柿かは食べてみなければ分からない。
丸く太った柿をもいで持ち帰り食べてみる。「お〜〜甘い柿だね〜^^」
次は、細長い丸い柿を食べてみる。「ぷへ〜〜〜えぐ〜にが〜」ペッペッと吐き出した。
その時に私は、我が家の細長い丸い柿は渋柿なんだ。ということを知った。
たっちゃん:「渋柿は干し柿にして渋みを抜くんだよ。」
わたし:「ふ〜ん。そうなんだ」。。。。
その時の私は、まだ干し柿を作ろうとはしなかった。あれから数年経った今年、穏やかな秋晴れの11月の始めに、ご近所さんから柿を採りに行こう!とお誘いを受けた。
ご近所さんの家の裏にある柿の木、樹齢うん十年、苔を生やし背が高く柿の実をたくさんつけていた。抜けるように青い秋の空にオレンジ色の柿がキレイに映る。
脚立を半分のぼった状態で、高枝バサミでチョキンチョキン!と柿を切っていく。
わたし:行くよ〜切るよ〜!
ご近所さん:はいよ〜。
チョキン!
古屋の屋根に落ちた柿はコロコロと屋根を転がり、真下で手を広げたご近所さんがナイスキャッチ。
切るよ〜!はいよ〜!ナイスキャッチ!を何回も繰り返す。
蚊の猛攻撃にあいつつ、額の痒さを我慢しつつ進む柿の収穫作業。ナイスチームワークでカゴいっぱいに柿を採った。
ボリボリと蚊に刺された額を掻きながらご近所さんの軒先の干し柿を見て、「この柿は干してどれくらいたつの?」と伺った。
ご近所さん、「1週間くらいだよ。」
そうして干し柿の作り方をそれとなく伺った。
皮をむく。
5秒熱湯にくぐらせる。
干す。
1週間経ったら一度焼酎をシュッとする。
干す。
以上。
「よし!やってみよう」
持ち帰った柿に紐をつける。
皮をむき、熱湯に5秒くぐらせる。
柿、Ready to hang!! あとは、ひたすら干すだけ。
一番良く日の当たる場所を選び柿をつるす。下げた時に柿同士が当たらないように注意しながら下げる。
連日の晴天に柿は順調に乾いていく。
6日目にいったん、焼酎をシュッとやった。
たまにモミモミと揉んであげると良い塩梅に苦味が抜けるよ〜〜!と助言をいただく。
モミモミとひとつひとつ揉みほぐす〜。やさしく丁寧に。
こうして干し柿を作りながらも色々と調べていく中で、「しぶを抜く」と言う表現をするけれど、実際は渋みが抜けているのではないと言う事も分かった。干すことで渋み成分であるタンニンが「※アセトなんちゃら」という物質とくっついて渋い味が感じられなくなるのだそう。
※アセトアルデヒド(絶対覚えられない😬)
こうして干す事、12日目。。。。なんか、まわりは乾いて中は柔らかそうだな〜〜〜
「ひとつ割ってみよう〜!」
指で裂き、たっちゃんと半分ずつにして実食!
「お〜〜〜あまぁ〜い ^^ 渋みが完全に無いね〜」
これくらいの柔らかさもちょうど良いのかもしれない。
干し柿の中のとろ〜り甘い感じは天然のジャムのよう ^^。。。ジャムのよう。。ジャムのよう。。。ジャムみたいに食べれないかしら??と、思いついたレシピがこちら⬇️
干し柿+クリームチーズ+ローストクルミ on バケット
(ちなみに奥は自家製ピーナッツバター)
干し柿とクリームチーズが合う合う。そして追いかけてくるみの香ばしい風味😋
干し柿を作ってみて、どうやら私は2週間ほど干したわりと柔らかさが残る干し柿が好きなようだ。
顔が歪むほどの渋さを持つ渋柿が干す事でこんなにもジャムのような甘さに変わるとは、驚きであり、この「渋シブ」を抜く工程を編み出した昔の人もすごいな〜〜と感心してしまう。
秋の終わり、「柿プロジェクト」に私のマインドは「柿」でいっぱいであった。
空いた時間にチクチクしている刺し子タイムもいつの間にか「柿の花」を刺していた^^。
チクチクしながら、なんとなく増えたかなと感じる私の中の「干し柿」と言う引き出しにご機嫌な気分です^^。
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