深層心理学で読み解く、私とあなたと、もう一つの存在
- 19 時間前
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たとえば人と人が対話をする時、私たちは言葉、そしてボディーランゲージなどによって、互いのメッセージを読み取りながら会話が行います。
「コミュニケーションは非言語が9割」と認識されている現在ですが、この場合の非言語とは、言語情報以外の聴覚(声のトーン、テンポ、リズム)そして視覚(表情、姿勢、仕草)などを表します。つまり言葉が全てではない、ということになります。
でも実際には、コミュニケーションはさらにもう少し複雑です。
なぜなら、コミュニケーションにはあなたと私意外に、さらに別の存在が関わっているから。あなたと私の二人だけで対話を交わしているつもりでも、そこには二人の関わり合いに影響を与えている「もう一つの存在」があるのです。
トランスパーソナル心理学や深層心理学では、このもう一つの存在を「第3の存在」と呼ぶことがあります。それは、あなたと私の関わりによって生じるフィールド(磁場)のことを意味しています。
あなたという存在と、私という存在。その二つが交わり合うことで発生するこの磁場は、その二人が関わっているからこそ生じるケミストリーです。互いの性格や考え方だけでなく、無意識に潜んでいることによって生じる、ユニークな現象的な存在です。
たとえば、ある人物に対して、なぜ人々がそれぞれに少しづつ違った印象を持っているのかを考えてみると、分かりやすいかなと思います。
AさんとBさんが関わり合う時、そこにはその二人独特の磁場が発生しています。AさんとCさんが関わる時にも、その二人特有の磁場が発生しています。ですから、Aさんという人物に対して、BさんとCさんがそれぞれ異なるやり取りをしたり、多少違った印象を持ったりするのには、互いの性格的な違い以上の、深い理由があるのです。
磁場は何でできている?
人と人が関わり合うことで発生する磁場。
ここには、普段意識していること以上に、互いの無意識が強く影響しています。たとえば、その人のその日の状態、普段から信じていることや価値観、求めていること、さらにはその人の歴史的なこと(幼少期の愛着パターン・繰り返される関係性のテーマなど)なども含まれます。普段の自分が意識できているわけではない、そういったことが磁場に影響を与えています。
たとえば、会話自体は当たり障りがなかったはずのに、なぜかいい気分になったり、または逆に不思議な不快感を感じたりなど、そういった言葉にならない感触はこの磁場を感じてのことだと言えます。
または、ぎこちないやり取りだったのに、なぜか相手に好感が持てたり、というのもそうかもしれません。
人と人がコミュニケーションを通して交わるとき、そこには言語・非言語以上の現象が起きていて、まるで運命のように感じる瞬間もあれば、その逆も然りということなのです。
もう一つの存在を取り入れたコミュニケーションとは
この磁場という「第3の存在」を含めたコミュニケーションは、実際にはどのようにして活用できるのでしょうか。
まず、相手と自分以外にも、二人の関わりに影響を与えている「何か」があることを意識することで、他人との関わりについて多面的でより深い説明が生まれるという利点があります。
たとえば、皆に評判がいい人について、自分だけが少し違う印象を持っていた場合には、自分の判断力が間違っているのではなくて、そこに磁場が影響しているという認識を持つことができます。人はこれを「相性」と呼んだりしますが、つまり相性とは、言葉にできないけれど「何か」として存在する磁場のことだといえます。
次に、より具体的な活用方法は、コミュニケーションにおいて互いが反応しあっているのはお互いに対してだけではなくて、実は磁場に対してなのでは、と考えてみることです。つまり、相手がこう言ったから自分がこう反応した、というシンプルな方程式ではなくて、磁場という第3の存在が自分と相手にそういう反応をさせている、と解釈することで、互いについてワンクッション置いた冷静沈着な判断をすることができます。
自分が何に反応をしているのかを冷静に考えるきっかけにもなりますし、対人関係において、自分や相手を直接的にジャッジすることを避けることにも繋がる、よりコンパッションのあるコミュニケーション理解へと導いてくれます。
より深みのある世界観を
社会という枠組みの中で生きる私たち人間にとって、対人関係が日々の生活に与える影響は非常に大きいものです。
家族から友人関係、社会での対人関係、公共の場で触れ合う人々、そしてオンライン・オフラインで関わる人々をも含めて、私たちは日々なんらかの形で人々と関わり合いながら生きているものです。
そんな関係の中で、情報を交換したり、目的を共有したり、喜びを分かち合ったり、ときには傷つけ合ったりというような関わりも起きます。そんな時、この第3の存在である磁場を意識することができたら、自分と他人に起きていることを表面的な部分で分析するだけでなく、より深みのある広い視点から見つめることができる気がしています。
それはきっと、磁場を意識することで起きる、冷静でコンパッションのある、包括的な視点です。対人関係にそういった視点が加えられる時、私たちは他人にも自分にもより優しくなれるのではないでしょうか。
対人関係を新たな視点で見つめてみたい方、ぜひ「第3の存在である磁場」を意識してみてください。



