静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は、春がやってきた里山の風景について描いてくれました。
2月の一番最後の節気は、
霞始靆・かすみはじめてたなびく:
春霞(はるがすみ)がたなびき、遠くに見える山や景色がぼんやりとかすんで見える。春の霞んだ月を「おぼろ月」と呼ぶ。
最近ご近所さんに会った時、
「なんか今日は、世の中が霞んどるね〜〜〜」
花粉症のご近所さんは鼻をすすりながら、
「花粉も飛んでる〜〜黄砂も来てるかもな〜」
というやりとりがあった。
春一番も吹き、暖かい日も増えてきた。気温が上がれば草木は目覚める。菜の花も梅も桃も咲いている。風に乗って花粉は飛び黄砂も運ばれてくる。そりゃ、この時期世の中は霞むのだな。
春の霞んだ月を「おぼろ月」と呼ぶ。で思い出した小学校?中学校?!で習ったあの歌、
おぼろ月夜
菜の花畑に 入日薄れ
見渡す山の端(は) 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月かかりて におい淡し(あわし)
当時は、歌の意味もよく分からず歌っていたが記憶の中に歌はちゃんと残っていた。そうして今になって、この歌の中の現象が体感として感じ取ることができる。
霞んでいる里山 菜の花のキラキラとした黄色
暖かい陽気の中あぜ道を気持ち良さそうに散歩する人
夜になると霞んだおぼろ月が見える
暖かい日が増えると集落の住人も冬ごもりから出るように、畑や裏山に出る時間も多くなってくる。メジロが忙しく花の蜜を突っつく下で、私たちは土を起こしたり、じゃがいもを植えたり
冬の間じっとしていたそら豆たちもニョキニョキと伸び始めている。私たち夫婦も裏山に入る回数も増え、来たるタケノコ、山菜、梅の時期に備えて整備を始める。
雑木林の影では、雨が降るたびに椎茸が出る^^。
今ある椎茸の菌は何年目になるだろうね?そろそろ新しい菌を仕込むことにしよう!
少し前にたっちゃんが、椎茸を打つ為にシデやコナラ、なめこ用にサクラやシデを集め乾かしておいた。
コナラを背負子(しょいこ)に乗せて運ぶたっちゃん。私は2本ほど、持って行ったり来たり。
(たっちゃんがなめこ菌を打つ動画↑)
菌を仕込んだら、雑木林の良い感じの日陰に置いて、2年ほど木に菌が回るのを待つだけ。
美味しいなめこのお味噌汁を夢見て、ひたすら待つ^^。
もうすぐ春撒きの種を撒く時期、私の頭の中は何をどこに撒こうか楽しく妄想が広がる。色々と芽吹く時期、里山はエネルギッシュで美しい。
良い時期になってまいりました〜〜✨
妙絵さんが心にも体にも優しい「里山の暮らし」に辿り着いた経緯についてインタビューした記事はこちらです。よかったらご覧ください。⇨「東京&アメリカ生活を経て、里山の暮らしへ」
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