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畑日和 *里山の暮らし*



静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は、作物が元気に育つ里山での、妙絵さんの畑のお話です。


アメリカの先住民のムーンカレンダーでは、5月の満月はフラワームーンという。5月のアメリカは春の花が咲き乱れる時期だからフラワームーンと呼ばれているそう。


5月7日、私はアメリカから遠く離れた日本で煌々と夜空を照らすフラワームーンの満月を見ていた。日本もまさに、春の花が鮮やかに咲いている時期だよ〜同じだね〜と思いながら、夜空に輝くフラワームーンを見ていた。



昔ながらの日本の旧暦、七十二候(しちじゅうにこう)では5月7日は蛙始鳴(カワズハジメテナク)という節気。


この時期、雨が降る度に緑は色濃く青々しさを増していく。畑の土を起こせばミミズはもちろんいるし、カエルの鳴き声も聞こえ始めている。アシナガバチは巣をどこに作ろうかと飛んでいて、うぐいすは鳴く練習をしている。


ホ〜〜から続くしっくりくる「ホケキョ!」がなかなかきれいに決まらない。

「ホ〜〜〜〜ケキョ〜」とか、「ホ・ホ〜〜ケキョ〜!」とか鳴くものだからズッコケてしまう。🤣あ〜惜しい〜もう少し。なんて思いながらクワを動かす。


畑には色鮮やかでカラフルな虫達もたくさん見られるようになり、一気に騒がしくなってきたなぁ〜🦋🐞。




最近の朝の畑ウロウロルーティーンはレモンの木から始まる。


レモンの木はたくさんのつぼみを付け、日に日に可憐な花を咲かせる。この一つ一つが美味しいレモンになると良いな〜。愛おしいなぁ〜。



少し前に植えたアスパラが芽を出している。枝豆とインゲン豆も可愛らしいベイビーリーフが出ている。


ジャガイモとニンニクはあと、2週間くらいで収穫かな〜?


スナックエンドウはもう終わりだね。


あ、きゅうりの葉にオレンジの虫、また付いてる。葉に穴開けたな〜指で退治!


この空いてるスペースに落花生、いくつ植えられるかなぁ〜〜?


と、ゆっくりウロウロと歩き回りながら畑と会話しつつ作業をする。






畑を始めてもうすぐ6年目。お隣さんに聞いたり、野菜の本やGoogle先生でも調べたりして試行錯誤している。自分の農業日誌的な「My Veggieノート」には、シーズンごとに何をどこにいつ植えて、収穫はどうだったかを記録する。シーズン前にノートを眺め「畑マネージメント」についてブレインストームしながら妄想を膨らませる。


まずは何が食べたい?から始まり、その食べたい野菜について調べていく。どのくらいのスペースが必要かな?連作障害もチェックしないとな。水を欲する野菜なのかな? その野菜の性格を考慮しながら畑マネージメントをしていく。限られた畑の土地に何をどう植えるかをちゃんと考えないと野菜は上手く育ってはくれない。ブレインストームや妄想こそが大事であったりする。



考えてたくさん妄想し、手間をかけ、丁寧に育て実ってくれた野菜は美しい。育ってくれてありがとうという想いで収穫し、美味しいね〜とじっくり味わう。初めて落花生を育て収穫した時、とても美味しくて嬉しくて一粒一粒大事に食べた。翌年、同じ様に育てていたが、収穫直前にカラスに全て食べられ荒らされた。ショック!カラスのせいではない、ネットをかけなかった私が悪い。



去年うまくいったから今年もうまくいくわけではなく、自然は思い通りにはいかないことも多い。尋常ではないサイズの台風だって来るし、木をなぎ倒すほどの強風だって吹くこともある。ハクビシンがトマトを食い尽くすこともあるし、イノシシが柵を突き破ることだってある。喜んだり、ショックを受けたりしながら、めぐる自然の中で恵をもらっている。


ご近所さん達のように、野菜のプロ並に上手に育てるにはまだまだ及ばないけれど、あらゆる自然条件の中で少しずつやりながら覚えていくことを繰り返して、自分の中の引き出しを増やしていく。自分の中の引き出しが増えていく実感は自分を少しずつたくましくしてくれる。


ご近所さんたちと「ボチボチやるさ〜」を合言葉に、みんなそれぞれのペースで今日もお日様の下作業をしている。☺️




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Hypnotic Lifeでは「ココロとの丁寧な付き合い方」を考える心のケアにフォーカスしたコラムを綴っています。読み手の方に癒しやインスピレーションのカケラを提供できるよう心を込めて取り組んでいます。

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