2021年2月23日

柑橘のせかい *里山の暮らし*

静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は、いま豊作の柑橘系の食材たちについてのお話です。

抜けるような青空に一筋の飛行機雲。洗濯を干しながら、「今日は風もなく良い天気が続くかな。。」という予感。

最近畑に出る度に、裏山の入り口にある一本の橙(だいだい)の木が気になっていた。濃くなってきたオレンジ色をちらつかせ、「もうそろそろですよ〜〜」と知らせているよう。

「お天気も良いし、よし、見に行こう!」

高枝バサミと背負子(しょいこ)を背負い、裏山の入り口にある橙の木までやってきた。見上げると、ビタミンカラーな橙がハツラツと実をつけている。

「なんともキレイなオレンジだこと^^」

引っ越してきて里山をたっちゃんが整備し始めた頃、この橙の木はバッサリと選定されツルツルにされた。数年かけて枝を伸ばし葉を茂らせ、5年ほど経った頃から、再びたくさん実をつけるほどになった。

チョキンチョキン!と高枝バサミで橙を採っていく。

チョキンチョキン!と色がビビッドで大きいものから。

枝と葉をキレイにとり、背負子に入れて持ち帰る。これから始まる橙プロジェクトに楽しい妄想は始まる。

Project Daidai #1 「生搾りダイダイジュース」

まずはそのままナチュラルな橙を味わう。搾り器を使ってしっかり3個分搾る。ダイダイはレモンほどではなくてもちゃんとすっぱい!

翌日からは、ご近所さんにもらったネーブルと組み合わせて搾ったら、バランスの良い柑橘ジュースとなった。これからはしばらく朝のジュースはこれに決まり🍊

Project Daidai #2「橙ポン酢」

ご近所さんが前に、「橙はお酢の代わりに使うのよ。ポン酢にしてみるといいよ。」と教えてくれた。

橙200ml分を搾り、しょうゆ100ml、みりん大さじ1ちょい、こんぶとかつお節を入れる。そうして冷蔵庫で一晩寝かせるだけ。

完成した橙ポン酢は、旬の「ぶりしゃぶ」でいただきます。

里山で暮らして以来寒い時期になると、ご近所さんたちから「たくさん採れたから持っていき〜」とあらゆる種類の柑橘をいただく。

昔ながらの小ぶりなみかんや甘夏、金柑

甘い柑橘系のネーブル、デコポン、ポンカン

この集落で初めて食べた、駿河エレガントやスイートスプリング

ご近所さんの庭には、みんなそれぞれ個性豊かな柑橘の木があり、冬になるとキラキラとまぶしいオレンジやきいろの実を付ける。

私たちの裏山には、橙の木が一本あり、新たにレモンと金柑ライムの木を植えた。レモンと金柑ライムの木は植えてから3年ほど経ち、やっとたくさんの実を付けるほどの大きさになった。

私が住む集落だけで、何十種類もの柑橘に出会うことができる。柑橘の種類の多さに、柑橘の世界とは実にとても広いのだと教えられている。今年もさまざまな柑橘を味わいながら、違いや個性を知りながら、

それぞれにあった食べ方を見つける、柑橘プロジェクトに没頭している。そのまま食べるもの、ジュースにするもの、ジャムやシロップ、ドレッシングにしたり、パンやクッキーに練りこんだりもする。

レモン&ポピーシードスコーン

レモンクッキー

毎年この時期になると、柑橘で遊ぶ時間を楽しみながら自分の中の「柑橘」と言う引き出しを作っている。🍊🍊

妙絵さんが心にも体にも優しい「里山の暮らし」に辿り着いた経緯についてインタビューした記事はこちらです。よかったらご覧ください。「東京&アメリカ生活を経て、里山の暮らしへ」


 

#里山の暮らし