人生を動かすヒント
- 3 時間前
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誰にでも、人生の動きが止まっているように感じる時期があると思います。
以前は感謝できていたはずの淡々とした日々に、最近なんだかモヤモヤしたり。うまくいってほしいことがあるけれど、思うように進んでいかない現状に焦りを感じていたり。他の人が眩しく見えたり、自分の人生や能力に疑いを持ったりと、心の中が騒がしいかもしれません。
こういった居心地の良くない時期を、心理学者ビオンはジョン・キーツの「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を応用して説明しています。結論や解決を急ぎたい気持ちを脇に置いて、現状を洞察し、居心地の悪さと共存する方法です。
日本人は昔からこういった忍耐や耐久に強い傾向がありますが、それでも答えの出ないグレーゾーンにとどまり続けるのはとても辛いもの。体験している本人にしか分からない葛藤があるものです。
この時期、どう過ごす?
いわゆる「停滞期」と呼ばれることが多いこういった時期。でも、どんな時期にも、それを有意義に過ごす方法があります。
動きが止まっているように感じる時期というのは、裏を返せば、追い風に押されなくていい時期。外側に目立った動きが少ない今だからこそ、できる活動があるのです。
たとえば、自分を動かす原動力を今一度確かめてみます。
今の自分は、どんなことに自然と興味が向いていますか?
何についてなら、時間を忘れて没頭できますか?
つい意識が向いて、調べたり、作ったり、出向いたりしていることは何でしょうか?
ずっと好きだったことから、最近ふと気になり始めたことまで。
そういったものを整理して、夢中になれることにとことん潜ってみる。それが、この時期にこそできることだと思うのです。
一般的に「停滞期」と呼ばれる時期を、私は「実験期」と呼び替えています。実験には、結果を急がなくていいという前提があります。うまくいくかどうかを確かめるために、あえて手を動かしてみる時間。成功も失敗もまだ判定せず、ただデータを集める時間です。停滞しているように見える今は、まさにそういう時間なのだと思います。
ネガティブ・ケイパビリティは、答えの出ない状態にただ耐えることのように聞こえます。でも、不確かさにとどまるからこそ、結論を出さないまま気軽に試すことができる。答えを急がなくていいという余白が、むしろ自由に手を動かす土台になるのです。グレーゾーンだからこそ、今の自分の興味に潜ることができるし、それが求められているとも言えます。
心理学では、こういった物事の捉え方を「リフレーミング」と呼びます。捉え方の角度を変えるだけで、現状を違った体験に変える方法です。
今が理想へと繋がっていく
若い頃、年配の方にアドバイスを求めると、「今取り組んでいることを一生懸命やっておきなさい」と言われることがありました。物事を変えたい、もっとやれることがあるはずだ、という焦りから求めた助言だっただけに、なんとなくがっかりしかねない言葉です。でも振り返ってみると、確かに当時の自分にしかできないことがあったのが分かります。そして、そういったことは後になってみないと分からないものでもあります。
今できることは何だろうと意識を切り替えて、モヤモヤや焦る気持ちを実験の原動力に変えていく。そうすることで、どんな時期も無駄なく過ごせると感じています。
モヤモヤする気持ちの根底を探っていくと、理想と現実のギャップが原因になっていることが多いものです。理想の状態があるからこそ、現実の動かなさが辛く感じてしまう。
これについて、仏教者ティク・ナット・ハンの素敵な言葉があります。
未来を心配するなら、まず今をしっかりとやりなさい。なぜなら、今が常に未来になっていくのだから。未来に思い悩むことに意味はありません。未来を作るためには、今にしっかりと取り組むべきです。それはとても論理的で明確なことなのです。現在のあり方からしか、未来は作られないのですから。
もし今、停滞感に悩んでいらっしゃる方は、ぜひこの時期を「実験期」として捉えて、今の自分だからこそできることに取り組んでみてください。できれば、自分が興味を持てること、情熱を持てることに、一生懸命取り組んでみてください。
頭で考えて動けなくなっているときは、心に意識を戻して。
人生を動かしていくヒントが、きっと見つかるはずです。



