top of page

ちいさなメディテーションのススメ 

心配事や不安な気持ちから自分を解放させる、ちいさな習慣をご紹介します。


次から次へといろんなことが起きて混乱気味な世の中。心配事やストレスが尽きない毎日の中で、少しでも気持ちを落ち着けて穏やかにするために、「ちいさなメディテーション」の習慣を取り入れる提案です。


ちいさなメディテーションのやり方はとても簡単。一般的なメディテーションとは違って、目を閉じで座禅を組んで瞑想する必要はありません。代わりに、日常の中の作業をちょっとだけ丁寧にすることで心を穏やかにしてゆきます。


ポイントは、「マインドフルネス」を意識すること。


マインドフルネスとは「今この瞬間に意識を向ける」こと。今この瞬間とは、たとえば今自分がやっている行為に意識を集中することで感じることができます。また、今の自分がいる環境に意識を集中することでも感じることでも感じるできます。マインドフルネスを感じるにはメディテーションが一番だと言われていますが、それ以外にも日常の中で日常の作業をしながら感じることができます。


思考のタイムトラベルをストップ


世の中は不安要素があふれています。心配事やストレスについて考え始めると、考え事のネタが尽きることはないかのよう。もともと、人の意識は時空間を超えてタイムトラベルするクセがありますので、たとえば、過去に起きたことを引き合いにして気持ちを不安定にさせたり、未来のまだ起きてはいないことに考えを巡らせて心配したりなど、忙しくトラベリングしてざまざまなことを考えています。


もちろん、人生の中では過去や未来について考えることが必要な場面もあります。でも、そのことに夢中になりすぎて、今現在の自分の気持ちが休まらないのであれば、それは心の健康を害する行為になりかねません。


ブッダからエックハルト・トール氏まで、数々のスピリチュアルティーチャーたちは、私たちがもっと「今この瞬間」に意識を向けることができたら平和になれるといい続けています。なぜなら、エゴからの解放は「今ここの瞬間」に意識が戻った時に起きるから。


思考のタイムトラベルのクセを自分でコントロールして、今ここの瞬間に意識を戻すことができるようになれば、心配やストレスに向きがちな心のベクトルを調整してあげることができるのです。


ちいさなメディテーション


ちいさなメディテーションは、意識を今ここの瞬間に戻すためのコントロール機能を育ててゆくトレーニングのようなもの。でも、「ちいさな」というだけあって、1日1個するだけでは効果が薄いので、1日のうちに何度か、そして何種類かを取り入れて試してみてください。


1)お茶やコーヒーを淹れて呑む瞬間


お茶やコーヒーを淹れて飲む行為には、何か人をホッとさせてくれる作用があります。意識していないと、機械的に淹れて飲んで、というただの作業になりますが、一方で、お茶の葉やコーヒー豆の香りをしっかりと感じながら淹れてきちんと味わいながら呑む、という行為をすると、まるでちょっとした「儀式」のようになります。そんな風にじっくりと味わうために必要な時間は、長くてもほんの10分程度。ただ丁寧に準備をして、美味しさを感じてほっとすること。こんなちいさな瞬間が私たちの意識を今ここに戻して落ち着かせてくれるのです。


2)音に耳を済ませる時間


風鈴の音、水の流れる音、海の波の音、風の音など、自然の中に存在している音を聞くことを意識してみます。身近にそういう音がなければYoutube、Potcast、CD、ミュージックオンデマンドなどで好みのものを探して、これもほんの10分間程度、目を閉じて静かに聞いてみましょう。私が個人的に好きなのは、ベルの音と小川がちょろちょろと流れる音。心がざわつく時には、横になって目を閉じて、そんな優しい音に意識を集中してみるだけで、不思議なほどに心のモヤモヤが軽くなってゆくのを感じることができます。


3)シャワーや湯船に浸かる時間


シャワーを浴びたり湯船に浸かった瞬間に感じる「あぁ気持ちい~」という感覚。これは、1日中忙しく動き回る「思考」がほんの一瞬ストップして、身体と心の声を聞くことができる貴重な瞬間です。思考は時空間を飛び回るタイムトラベラーですが、お風呂などの行為によって温かいお湯に身体を浸らせたその瞬間、身体の感覚が覚醒されてタイムトラベルが停止します。思考が停止すると、私たちは今ここの瞬間に気がついて、幸せな気持ちを感じることができるのです。そんな「あぁ気持ちい~」という感覚を一瞬だけで流してしまわずに、いつもよりも長く浸ることを意識してみましょう。身体の疲れ、心の疲れを癒してあげる気持ちで、ゆっくりと気持ちよさに浸ります。


4)料理する時間


たとえば、お米を洗って、炊飯器にセットして、野菜を切って炒めて、、と、食事を作ることは忙しい人にとってはただの作業となりがちです。でも、材料を手でしっかりと触って感覚を確かめながら洗ったり切ったりすることや、お鍋の中で材料たちがクツクツといい音を立てながら煮込まれていく様子に意識を向けてみると、今ここの瞬間に意識を戻すことができます。丁寧に調理すると、心を込めたエネルギーが食べ物も反映されますので、一緒に食事をする人がいる場合には、いただく側にもマインドフルネスが伝わってダブルでいい効果があります。


5)スキンケアの時間


ボディークリームやオイル、ローションを塗って身体を保湿する習慣がある人は、じっくりと時間をかけて保湿してみましょう。たとえば、いつもよりもゆっくりとボディークリームを皮膚に塗り込んでゆくような気持ちで丁寧に身体を保湿してあげます。身体と対話するようにスキンケアすることで、今ここに意識が戻ることに加えてエレガントな気持ちにもなることができます。


6) 歩く時間


A地点からB地点へと移動するためだけに歩いているとき、私たちはいろんなことを考えて意識ここにあらず状態になっています。「マインドフルネスに歩く」と決めて歩くと、たとえば道端の花に春の訪れを感じたり、自分の歩く足音に耳をすませたり、風を肌で感じたりなど、向こうからやってくる人の表情に気が付いたりなど、目の前の状態や五感を通して感じる感覚に意識を向けることができます。そしてそこにちいさな喜びを見つけることも。歩く行為は実は素晴らしいメディテーションになる得るのです。


7)就寝の時間


お布団に入って、シーツの中で「はぁ~」と気持ちがホッとする瞬間。これは今ここに意識を向ける絶好の瞬間です。体全体を頭のてっぺんから頭、顔、首、肩、両腕、胸、お腹、腰回り、太もも、復路はぎ、そして足とつま先までを、ゆっくりとスキャンするようにしてチェックしていきます。1日を終えて疲れた身体が、お布団の中で安心してゆっくりと休まっていく様子に意識を向けることは、今この瞬間の自分の様子に気がつちいさなメディテーションです。



こんな風に、日常の中の何気ない行為を、意識してすることがちいさなメディテーションです。それぞれにかける時間はほんの10分程度ですが、習慣化すると立派なメディテーション効果をもたらしてくれます。ぜひお試しください。






bottom of page