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望みを叶える過程を楽しむ 



先日、昔の荷物を整理していたら、若い頃の自分が書いたアファメーションの紙きれがいくつも見つかりました。私は子供の頃から「こんなことがしたい」とか「こんな自分を目指したい」というようなことを空想するのが好きで、紙切れに書き出してはお気に入りの本に挟んだり、引き出しの奥にしまっていました。


本当に小さかった頃は絵にして書いていましたが、小学生の頃は漫画風に。その後スポーツに夢中になっていた時期にはあまりそういうことをしていなかったようですが、高校生の終わり頃から再び開始して、大人になってからはもっと頻繁に書き出すようになりました。先日見つけたものは、おそらく12年~10年くらい前に書いたものたちです。読みながら、当時の自分が何を求めていたのかを思い出してとても懐かしくなりました。

私の敬愛するライフコーチング の師匠、Didi Firman先生に言われたことがあります。


人生は自分のハイヤーセルフとのコラボレーションです。自分が心から望んでいることはすでに起きる可能性大なのですよ。自分の望んでいることを思い出して、行動にうつすことが地上の私たちがすること。ハイヤーセルフは地上の私たちには力の及ばないこと、たとえば誰かとのご縁や、物事がスムーズに進むタイミング、そしてその過程で体験すべきことを引き寄せるという形で、私たちとコラボしているのです。


なんだ。望めば叶うのか!

そんな風にシンプルに受け取ることもできる「望めば叶う」の法則ですが、私がDidi先生のところで学んでいたのは、「でもどうして、人はシンプルに望みを叶えて幸せになるという、一見単純そうなことが真っ直ぐにできないのか」ということでした。


人の意識や心理の複雑さは、その人の歴史(育った環境や体験してきたこと)に合わせて、その人が本来持って生まれた性質との組み合わせから構成されています。

つまり、その人が描いている人生観であったり、潜在意識レベルで信じていることなどが影響しているので、「望めば叶う」の法則をさらっと体験することができる人がいる一方で、人によってはかなり寄り道をして遠回りします。また、望みの内容によっては現実化しやすいこと、そしてなかなか現実化しないことも、人それぞれに違っています。

たとえば、ある人にとっては仕事に関することは現実化しやすいけれど恋愛関連はなかなか実りにくいとか、またはお金に関しては実現しやすいけれど、深い友情を体験することや活き活きとした経験をすることなどに関してはなかなか叶わないというようなことがあります。ある人によってはなんでもないことが、別の人にとってはものすごくハードルが高いことだったりするわけなのです。


現実化する時間が短ければ短い方がいい!とかいうことでもなく、その過程で自分を見つめて「意識や心のもつれ」みたいなものをほどく手助けをするのが、自分の取り組んでいるライフコーチング です。もつれた部分がほどけてゆくと、それまでには想像しなかったいろんな可能性が拡がってゆきます。本人が知らなかった自分の側面を発見したり、新しい体験がやってきたりします。


心のワークにに取り組み始めると、人生が違った風に展開してゆきます。



人が持ついろいろな側面


人は本来、いろいろな側面を持っています。

両親の前で見せる自分と、職場の人たちに見せている自分が違っているように、そして恋人に見せる自分と、友達に見せるが違うように、自分の中には本当にいろんな側面があるものです。


そんな自分の中にあるいろいろな自分が統合されずに、それぞれが勝って気ままに主張しているうちには、本来の自分が求めるものを理解することが難しくなります。たとえば自分らしく生きることに憧れているのに、子供の頃に親が期待していた自分でいるためについ手堅い選択ばかりをしてしまうなど、いろんな矛盾が生じているからです。


自分のことがよく分かりませんと相談にいらっしゃるクライアントさんの中には、自分の中に存在しているいろんな顔を持つ自分に戸惑っていて、そしてさらには「周りの人々の価値観や社会が求めるもの」に自分が影響されすぎていて、自分自身を見失っていることがあります。表面的な部分だけで欲しいモノや望んでいることを探そうとしていて、場合によっては本来の自分が心から叶えたいこととは全然違うことを長年追い続けていたり、自分じゃない価値観の中で人生のプランを練っていたりします。


Didi先生から学んだコーチングでは、自分の中に存在するいろんな自分の声をちゃんと理解することと、その上で、どうやってその声をまとめてゆくのか。(統合させて指揮を取って。)そしてさらにはどうやってハイヤーセルフとコラボしてゆくか、ということを実体験しながら教わっていました。これを心理学の手法では「サイコシンセシス」といいます。



アファメーションを振り返ってみて思うこと


自分の過去のアファメーションの紙切れを読んでいると気づくことがあります。


たとえば20代の最初の頃に書いていたものは、今振り返ると自分の意思ではなかったものが半分くらい含まれていました。その後、30代に入ったあたりから、アファメーションの内容が変わってきていて、より自分の心に沿ったことを書くようになっています。周りの人が望む自分になろうとするのも素晴らしいことですが、それ以上に、自分がその自分を大好きだと思えるかというのが、だんだんもっと重要になってきたからかもしれません。


40代の現在は、またさらに違った角度から自分の人生や体験してみたいことを考えるようになっていて、時間や経験とともに人ってどんどん変化してゆくものなのだなと感じています。70代後半のDidi先生には、「まだまだこれからどんどん変わるのよ!」と言われているのですが、きっとそうなのだろうな、と思います。


今回10年前に書いたアファメーションを眺めながら、その中で現実化したことについて考えてみると、それが叶ったという事実よりも、そうなるまでの過程についてより感慨深くなります。あのとき勇気を出して行動を起こしたから、とか、あの時あの場所であの人に出会ったからとか、望みが叶うまでには途中経過で奇跡のようなことがたくさん起こっていて、そこにはDidi先生の言葉通り「ハイヤーセルフ」の力を感じずにはいられません。


中間世セラピーのマイケル・ニュートン博士は、ハイヤーセルフは魂の世界に残してきた自分の一部だと解釈しています。そして、トランスパーソナル心理学者でサイコシンセス提唱したイタリアの心理学者ロベルト・アサジョーリも、ハイヤーセルフを「トランスパーソナルセルフ」と呼び、同じ定義を唱えています。


エマーソンの著名な言葉に"Life is a journey, not a destination."(人生とは目的地にたどり着くことではなく、旅の過程そのものである)という言葉がありますが、何かを叶えることもそれと同じなのかもと思います。


オンラインで注文してデリバリーされたピザをいただくことと、イタリアのナポリまで本場のピザを食べに旅することの体験が全く違うように、望みが叶うまでの過程があるからこそ美味しさも格別に違う!というような、その過程の中に自分を知ったり磨かせてくれたりする宝物との出会い、そしてちょっとスピリチュアルな奇跡の体験があるのだと感じます。そんなことに気がつかせてもらえたのも、やはり心のワークを学んだからなのだと感じています。


皆さんは、望みが叶うまでの過程を、楽しめていますか?



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