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空想は魂の言語:ヒルマン心理学

  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:20 時間前


突然ですが、あなたは、空想の世界に浸ることがありますか?

ぼーっと過ごす時間が、好きですか?


授業の関係で心理学者ジェイムズ・ヒルマンの文献を読むことが多いのですが、読み応えのある彼の心理学的思想は素晴らしい反面、読み進めるのにとても時間がかかります。


ヒルマン文献の日本語版では、鏡リュウジさんが翻訳されている「魂のコード:心のとびらを開く」という書籍があります。これを翻訳した鏡さんは、本当に素晴らしいなと思います。鏡リュウジさんといえば占星術でよく知られた方ですが、トランスパーソナルや深層心理学の分野で、深い知見にも富んでいらっしゃる方のようです。


ちなみに、ヒルマンの思想をより噛み砕いたわかりやすい本では、英語版だとThomas Moore博士の”Care of the Soul: A Guide for Cultivating Depth and Sacredness in Everyday Life "がおすすめです。


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では、空想ってどんな意味があるのかを、ジェイムズ・ヒルマンの思想を手がかりにしつつ、あらためて考えてみると・・・。


空想とはズバリ、「魂の言語」だそうです。

なんとなく思い描く空想には、魂からのメッセージが込められているということ。


さらに言うと、「空想は意識と無意識がコミュニケーションするための言語」とも説明されています。


この考え方は、空想するのが好きな方には、なんとなく共感できる考えのではないでしょうか?



一般的に、空想という言葉は、しばしば現実という言葉との対比として使われます。空想は現実から目をそらすもの、あるいは空想は現実逃避の一形態として語られることも少なくありません。


でもヒルマンは、空想を現実と対立するものとして捉える、その考え方そのものに疑問を投げかけました。


ヒルマンによれば、人はもともと、現実を「ありのまま」に経験しているわけではありません。なぜなら、私たちが生きている現実は、つねに無意識のイメージを通して経験される現実だからです。同じ出来事を体験しても、人によって意味づけや受け取り方が大きく異なるのは、それぞれが独自のイメージのレンズを通して世界を見ているからです。つまり、人は見たもの・起きた出来事を、そのまま受け取っているように感じていても、実際には、無意識的にイメージ化された世界を生きています。(ちょっと量子物理学的ですね・・)


さらにヒルマンは、空想やファンタジーとは、現実から切り離された副次的なものではなく、むしろ、空想・ファンタジーこそが意識の基盤であり、現実が「現実として立ち現れる」ための土台と捉えていました。


たとえば、人の空想にはその人の生き方の地図にようなものが含まれていることが多くあります。その人がどんなことに惹かれ、何に興味を持ち、どんな風に人生を展開したい願望があるのか。個人の空想にはそういったことが練り込まれ、ちらばめられているそうです。


とくにdaydreamingのような、なんとなくぼーっとしている時に浮かんでくるイメージや、シャワーの時、歩いている時、ふとした瞬間などにやってくる空想には、エゴが関与していないことが多いものです。魂は、エゴが油断している時に現れやすいもの。ですから、一見すると意味がないと思われがちなこういった瞬間に浮かんでくるイメージや空想には、エゴを超えた魂の声が含まれていることが多いのかもしれません。


ヒルマン心理学では、こういったイメージや空想がそっくりそのまま現実になることに意識を注ぐよりも、その奥に潜む魂の声を観察することを推奨しています。なぜなら、空想はその人が自身の魂の声とつながる入り口のようなものだからです。ときには、日々の生活の中でないがしろにしがちな心の感覚を、そっと取り戻す手掛かりになることもあります。


つまり、空想とは実はとても大切な心の営みなのです。


いかがでしょうか?


ぼーっとしている時、空想に耽っている時。

気がつくとあっという間に時間が過ぎていて、「時間を無駄にした!」と考えてしまうクセがある方。


実はあなたの過ごしているそんな時間は、意識と無意識を繋ぐ大切な時間であり、魂が私たちに栄養を与えてくる、時空を超えた貴重な儀式なのかもしれません。




 
 

 

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Hypnotic Lifeでは「ココロとの丁寧な付き合い方」を考える心のケアにフォーカスしたコラムを綴っています。読み手の方に癒しやインスピレーションのカケラを提供できるよう心を込めて取り組んでいます。

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