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直感の魔法

  • 執筆者の写真: Sakura Nimura
    Sakura Nimura
  • 11月6日
  • 読了時間: 7分
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しばらくの間、ブログをお休みしておりました。更新をチェックしにきてくださった方、何度もがっかりなさったかもしれません。申し訳ありませんでした。


数ヶ月前から、新たな挑戦で博士課程プログラムに在籍しており、お仕事しながらの学生生活が始まっています。最近ようやく、今の自分に合った時間の使い方や生活のバランスなどが分かってきて、少しずつ落ち着いてきました。


こちらのブログはこれからも続けていきますので、ときどきでも覗いていただけると嬉しいです!よろしくお願いいたします。


さて、今回はよく質問をいただくお題の「直感」について、綴ってみたいと思います。



これって直感?それとも希望的観測?

直感の3つの種類


直感について、私たちは時折、迷ってしまうことがあるかと思います。果たしてこれは直感なのか、それとも「こうであってほしい」という自分の思いなのか、という迷いです。直感の使い方が苦手という方には、直感と自分の思いとの違いが分からなくて、直感を信じられないという方も多くいらっしゃいます。


とくに、普段の生活で「考えること」をよくしていらっしゃる方には、直感が苦手な方が多いように感じます。ご本人の性格的なこと、または職業的な特性などにより、思考の機能を活発に使っていらっしゃる方々です。


このタイプの方は、論理的に考えて判断するスキルが成熟している分、直感という曖昧な感覚を捉えることが苦手なことが多いようです。「多分こうであるだろうという論理的な予測」、そして「こうであったらいいなという希望的観測」、さらには「警戒心によるネガティブな予測」などが混同して、いったい直感とはどんな感覚なのだろうと、分からない場合もあります。


そんなわけで、まずは直感の種類について整理してみたいと思います。

一般的に、直感は大きくわけで下記の3種類に分かれていると論じられています。



1)Implicit Knowledge 暗黙的な直感


長年の経験や観察などから自然に形成された知識が、直感的に表れてくるタイプの直感です。


たとえば、熟考した職人さんが「何となくこうだと分かっている」という言葉にできない感覚で作業したり、医療従事者が「直感的に」患者の症状の原因を突き止めたり、といったような現象です。


これらの現象は、経験からくる知識によるものなので、その場ではどうしてその決断をしたか即時に説明できないこともありますが、後で分析すると、「こうだからこうした」ということが論理的に説明できる場合が多いです。神経科学的には、潜在意識や学習パターンに関連しています。



2)Energetic Sensitivity エネルギー的な感受性


場の空気や雰囲気を感覚で読み取り、身体を通して感じるタイプの直感です。共感性の領域で感じ取るエネルギー的な感覚なので、「なぜか感じる・分かる」といったような感覚であり、論理的に説明し難いけれど、身体を通した感覚で感じとることが多いです。


たとえば、何となくこの道は好きじゃないとか、この部屋に入りたくないといったような感覚であったり、また逆に、この場所は安心できる、この空間は安全、といったような感覚を通して表現される直感です。また、場や空間以外にも、人の感情を読み取ったり、人物に対して感じることがあります。



3)Nonlocal Intuition 非局所的直感


時間や空間を超えて情報を受け取るタイプの直感です。個人の身体や脳に限定されない意識レベルで受け取るため、超感覚的知覚(ESP)などと呼ばれることもあります。


たとえば、ふと何かが降りてくるような感覚であったり、夢やビジョン、サイキック的な感覚で受け取ります。そのため、まだ語られていないことが分かったり、隠されていることやこれから起きることなどを直感として受け取ることもあります。


また、必要なことがふわりと分かったり、「これで大丈夫」という感覚を受け取ることもあります。深層心理的には、無意識の領域で受け取る感覚です。




実は同じではない

「ひらめき」と「直感」の違い


このように、直感といってもいろいろなタイプがあり、どれも異なる特徴を持っています。でも、3つどれにも共通していることは、「直感は思考を通して降りてくるものではない」ということです。


ふわっと分かるような感覚があり、それに身を任せて受け取るのが直感です。思考を介してやってくるものではないので、判断しようとしている時には、それはほぼ間違いなく直感ではありません。


また、ある瞬間に突然、「こうかもしれない!」と、降りてきたかのように感じるあの感覚は、「ひらめき」であり、厳密にいうと直感ではありません。


たとえば、シャワーを浴びている時や、慣れた場所を運転している時などに起きる、「ふと、分かったような感覚」は、「ひらめき(エピファニー)」と呼ばれるものです。


これは、心身がリラックスしたことによって、思考と潜在意識が繋がり、脳内で情報が整理されたことによって起きる現象です。「ああ、そういう意味だったのか」と感じたり、「あの時こうすべきだったのだ」と気がついたり、「答えはこれだ!」と、衝動的に分かったりする感覚です。


一方で、直感は、ふわりと降りてきます。

たとえば、ほぼ無意識でネットサーフィンをしていて、導かれるようにとあるサイトに辿り着いて、それが自分にとって必要な場所であった、というのが直感的な感覚です。


また、とくに求めていたわけでもないのに、誰かや何かの話題に出てきた情報について、「それが自分に必要なことだ」と、何となく分かるときなども、直感的な感覚です。


誰かに出会った時、外見が自分のタイプかどうかに関わらず、「この人とは縁がある」と、理由なくなぜか感じる時も、直感かもしれません。


直感は、一見すると前後のつながりがない形でふわりとやってくることが多いものです。なので、論理的思考が強い方の場合ですと、前後のつながりがないために、「これは自分に関係ない」と、素通りしてしまうこともあるわけです。



直感をしっかりと受け取るには


一見すると、前後のつながりがない形でふわりとやってくる直感なのですが、でも実は、ちゃんと「いつかの自分の思いや意思とつながった上でやってきている」のが直感の特徴でもあります。どういうことかというと、直感には「時間差」があるため、一見すると前後のつながりがないように感じるけれど、実は、いつかの自分の思いや意志を反映した上でやってきている場合が多いのです。


例えば、いつかの自分が「こうなったらいいな」とか、「これが必要だ」とか、「素敵だな」とか、逆に「これは嫌だな」「あれは危険」とか、そういった思いや意志を持った瞬間が、今の自分が受け取る直感の材料になっていることが多くあります。


直感が、いつかの自分の思いや意志を反映しているかどうかは、のちのちに振り返ってみた時にのみ、「ああそうだったのか!」と分かることができます。直感を受け取ったその瞬間でさえも、すぐには分からないこともあるでしょう。


直感を受け取って、それに身を任せて、行動などをとって、そしてそれがいつか現実の中で結果となり、その時に振り返り作業をして初めて、分かることかもしれません。


直感を上手に使う人たちは、この「答え合わせ作業」のようなことをする習慣があります。ですから、次回に直感がやってきた時に、それが直感だと何となく分かる、というスキルが育っています。


直感を受け取るのが苦手、という人も、実は無意識のレベルで直感を使って生きていることが多いものです。それが直感だと気が付かずにいる、ということも多くあります。


ですから、ほぼ誰もが直感を使って生きているといっても過言ではないと思うのですが、でも直感を活かして生活している、としっかりと感じるためには、この「答え合わせ作業」をワザを磨いて、自分の中での直感の認知度を高めていくことが効果的だと思います。


皆さんは、現在の自分の置かれた状況や在り方の中で、「直感に従って」こうなった、といったようなことが、いくつか浮かんできますか?


ぜひ書き留めて、直感との付き合い方を磨いてみてください。






 
 
 

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