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しかく豆でサステイナブル *里山の暮らし*

静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は種から育てる「しかく豆」に挑戦するお話です。


引っ越してきた初めての夏、お隣さんにしかく豆をもらった。しかく豆ってなんだ?それまで、「しかく豆」というものの存在自体を知らなかった。



お隣さん:「炒めるなり、茹でるなりして食べてみるさ!うちのお父さん(旦那さん)はパン粉で揚げたのよく食べるよ。」


と言われ、まずは茹でて食べみた。マメのさやがギザギザしていて、シャキシャキと軽い食感、味はそんなに無いかな。その味の主張があまり無いのがよく、色んな食材と茹でたり、炒めたりでき、万能だ。お隣さんの言うとおり、パン粉で揚げるのもいける。


お隣さんは毎年夏、前の年採っておいたしかく豆の種を植える。シーズンが終わる頃、15個くらいのしかく豆を残しておき、茶色く乾くまで待ち、来年植えるための種を採る。我が家も畑をやるようになってからは、夏前になるとお隣さんから、


「はい、これ植えてみるといいさ!」


と、しかく豆の苗をいくつか貰うようになった。それから毎年夏、我が家もお隣さんのようにシカクマメを育てるようになった。



しかく豆は手間がかからず、育てやすい。



唐辛子などが入った謎のたっちゃんお手製、虫あっちいけスプレーをシュッシュしているたっちゃん。ちなみに、これはしかく豆ではなく、隣のピーマンについたカメムシをやっつけている。



私も、自分で種を採って、翌年その種を植えられたら良いな!という思いが芽生え始め、3年ほど前からいくつかのシカクマメを残し、茶色くカラカラに乾いたら種を採るということを始めた。



採った種は冷蔵庫に入れ夏まで保管。そして翌年、夏野菜を植えるシーズンになると、小さいポットに自分で採った種を植える。




しか〜し。。。。何がいけないのか?!待てど暮らせど、自分の種から芽が出ない。芽が出るのを待っているうちに、お隣さんから、


「しかく豆の芽がたくさん出たから苗持って行き〜。」


と結局、お隣さんの苗を貰うことになる。😅この種採り作業を始めてもう3年目なのだけど、未だ自分の種から芽が出たことはない。今年も、「今回こそは!」と、去年採っておいた種を小さいポットに植える。


待つこと約2週間。。。まだ芽が出ない。😢周りのたっちゃんのハラペーニョは元気に出ている。「い〜な〜。。。。」


今年も、とうとうお隣さんが来て、


「あんた、しかく豆植えた?芽、いっぱい出たから持って行き〜」


と言われた。


「ありがと〜〜。。。自分で種をとったやつを植えてだいぶ経つのだけど、全然芽が出ないよ〜〜😅何がダメなのかな〜?」


結局、お隣さんから4つほど苗をいただき早速植えた。自分の種はもう諦めモード、、、取り合えず他の野菜の苗と一緒に置いておく。ちょっと、保留扱いね。。。。


しばらくしてある朝たっちゃんが仕事前に、


「よかったじゃん、しかく豆の芽、でたね。」


と言われる。


私:「え?うそ〜〜?」


すぐに、見てみる。(保留扱いにしてから、あまり注意をしていなかった。。。😅)


「お!出てる!」


「やった〜〜〜〜!やった〜〜!!やっとだよ!やっと〜!」


自分の種からやっとこ芽が出てる。しかもいくつも出てる!



これでやっと、シカクマメがワンローテーション循環したことになる。


種を採り→翌年の夏その種を植え→また種を採る


♻️グルグルと循環するサステイナブルなファーミング。


嬉しいな。なんかレベルが一個上がったような⬆️そんな感覚。その後、しかく豆たちは順調に育ち、



地植えできるまで大きくなった。これから伸びていくであろうツルのために支柱とネットをセットし、あとは見守る!




今年もたくさん実りますように。。❤



このご時世、様々な種がマーケットに出回っているから、どの種がぐるぐると循環型に力強く活躍してくれるかは正直分からない。お隣さんにもらう種は、なかなかの生命力ということが分かった。種は実際育ててみて、種を採り、また植えを繰り返してみないとその種の持つ力というものが分からない。


アメリカに行くたびにオーガニックのエアールームの様々な種を持ち帰っても、種はFresher the Better!新鮮なほど力強く、時が経つほど発芽率も低くなってしまい、結局全部使い切れないなんてこともあった。循環型の家庭菜園を実践するには、それに向いている野菜の種類、種、そして土が大事な要素なのだろうということが、何となく分かってきた。毎シーズン実験に実験を繰り返しているよう。食べたいものをつい植えてしまうという気持ちの葛藤もありつつ少しずつ循環型なガーデニングを目指すところです。



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