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エネルギーに敏感なHSPとエンパス



エネルギーに敏感な人々は、昨今の激しく揺れ動く世の中の情勢を受けてなんとなく気分が沈んだりイライラしたりなど感じていらっしゃるかもしれません。エネルギーに敏感であるということは、自分以外のエネルギーの影響を受けてしまうということ。身近な環境のエネルギーはおろか、ときには報道などで見聞きする遠方の状態でさえも自分の状態に影響を与えていることに、気がついていらっしゃるでしょうか。


エネルギーに敏感な人々にとって、気分の落ち込みやイライラは「体調不良が始まっている」という警告のサインです。放置しておくと心身の不調が進んで、たとえば偏頭痛がしたり不安感で眠れなくなったりなどの症状として現れます。なぜ自分が落ち込んでしまうのか、自分ではその原因を掴めないまま体調が悪くなっていく場合もあります。


また、エネルギーに敏感な人々は周りとの調和を気にする傾向がありますので、周りに遠慮して体調不良を伝えずに我慢してしまう場合もあるかと思います。とくに家族や身近な人々にでさえ説明しずらい敏感さを持て余し、自分をいたわるどころかその繊細さに罪悪感を感じるなどして、自分の状態を悪化させる悪循環を作ってしまうことも少なくありません。



HSPの人々


このブログでも何度となく取り上げてきていますが、一般的に、心理学的な見地から見るエネルギーが敏感な人々には、「HSP(Highly Sensitive Person)」 そして「エンパス」と呼ばれる二種類のタイプがあります。


まずHSPとは、「五感のセンサーが一般的な人よりも敏感な人々」のことを指します。HSPの人々は衣食住などに関しての美的感覚そして快適さを整えるセンスが高い人が多いのですが、でもそれは、見るもの、音、匂いなどから得る情報を脳が細かく受け取っているためで、そのせいで一般的な人よりも五感の情報処理に多くのエネルギーを使って生きています。


HSPの人々は激しい音や映像から強い刺激を受けますので、一般的な人よりもそういった刺激への許容範囲が狭いのが特徴です。でも世の中はHSP仕様にはできていません。本人が気をつけていない限り常に強すぎる刺激にさらされているわけですので、普通に生きているだけでも疲れやすいことがHSPの最も顕著な特徴です。


また、HSPの人々は共感性が強いことも大きな特徴のひとつです。つまり、周りの空気を察知したり、相手の気持ちを理解しようとする能力がもともと高い人たちなのです。そんなHSPの人々が最も戸惑うのは、自分と全く違った「エネルギーに敏感でない人たち」と一緒にいるときかもしれません。「なぜこの人は人の気持ちを理解しようとしないのだろう?」と感じたり、「なぜ自分が気づいていることに、周りは気がついていないのだろう?」という疑問を抱きやすいのです。


ときには、自分が感じているレベルの繊細な情報を周りも同じように感じているはずだと想定して他人とのコミュニケーションを図るので、話が噛み合わずに周りとのズレを感じることもあります。幼少時に「自分は他人とは少し違うのかも?」と感じることもあるかもしれませんが、その違いを周りに伝えることは難しいので、孤独感を感じることもあるかもしれません。


そんなHSPの人々にとって最も重要なことは、「自分に必要なセルフケアをきちんと施してあげること」です。HSPの人々は、自分の感覚を通して入ってくる情報処理に無意識レベルで人一倍多くのエネルギーを使って生きています。そのため疲労消耗しやすく、回復するために一人で過ごす時間を必要とします。周りに気遣いをせずに、五感で感じる感覚を自分自身の居心地のいい状態にしてゆっくりと休む必要があるのです。


HSPの人々は比較的内向的な人が多いと言われていますが、中には出かけたり社交する時間を楽しむ一見して外向的に見えるHSPも存在しています。でもたとえ外向的なHSPであっても、外出したり他人と過ごす時間を楽しんだ後には必ず一人になって充電する時間が必要です。そうしなければ、バランスを崩してしまいます。


周りからの理解を得るのは簡単ではないかもしれませんが、それでもHSPの人たちは自分の特性を理解した上で、周りの意見に流されず、自分で自分の取り扱い説明書を作っていく意思と勇気を持たなければいけません。HSPは生まれ持った特性ですので、鍛えれば繊細さがなくなるというようなことではありません。もしも「自分はHSPを克服できた!」と感じるのであれば、それはきっともともとHSPだったのではなく、人生の過渡期で一時的に自分が敏感になっていた、と捉えることができます。昨今ではHSPに対する認識度が高まっていて、自分ももしかしたらHSPかもしれないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、HSPは先天性なものですので、急にそうなったり消えたりすることはありません。ですから、エネルギーに繊細な自分と一生をかけて付き合っていく上で、自分の在り方やライフスタイルを、きちんと考えて整えていく必要があります。


そうやって自分の取説を作り上げたHSPの人は、自分の繊細さを前向きに受け止めて、エネルギーに敏感だからこそ作り出せる自分独自の生き方を実践することができます。持ち前の感度の高さを活かした自分らしい方法で、周りとは一味違った生き方を確立することができるのです。



エンパスの人々



そして、次はエンパスについてです。エンパスとは、エンパシー(Empathy)つまり共感性が高い人々のことを指します。エンパスはHSPが持つ特性を兼ね備えた上で、さらにその次のレベルの敏感さを持っている人々です。たとえば、他人の感じていることや考えていることが思いがけず分かることがあるとか、人のオーラが見える、動物・植物とコミュニケーションが取れるなどといったような超常現象的な感覚を持っている場合もあります。エンパスの人はHSP以上に感じる感覚が鋭いため、非常に疲れやすく慢性的な体調不良を抱えている人も多くいます。


共感性が高いということは、感じるだけでなく他人にすっかり共感してしまうということです。つまり、辛い経験をしている人の辛さを自分の体験のように感じたり、怒りや不安を感じている人の感情をそのまま自分に取り込んでしまったりなど、無意識レベルで自分以外のエネルギーを自分のことのように体験してしまう性質があるのです。本人にとっては非常に辛い特性であり、自分の感受性のスイッチのオンとオフを切り替える何らかの技法を身につけるまでは、生きていくこと自体を辛いと感じてしまうこともあります。また、その感じ易さから一般的な人々とはかなり違った独特な世界観で生きていますので、学校や社会生活の中で自分の居場所を見つけられずに孤独感を感じていることもあります。そういった状況から、エンパスの人は幼少期から心にトラウマを抱えてしまうことも少なくありません。


自分がエンパスかもしれないと感じたら、まずは心理療法などを通して自分の心の健康管理をプロの助けを得て進めていくことをおすすめします。共感性が高いエンパスの人たちは、自分の身近な人々の感情を自分のことのように受け止めてしまうので、周りの影響を受けていない時の本来の自分自身の状態が分からないまま大人になってしまったという人も少なくありません。色々な心身のワークしていくうちに、「自分は不安症だと思っていたけれど、それは自分の感情ではなかった。本来の自分は穏やかでニュートラルなのだ気づいた。」といったような発見があることも珍しくありません。


エンパスの人は自分の共感性のスイッチのオンとオフの切り替え方法を身につけるための、なんらかの手法を学ぶ必要があります。それはメディテーションやヨガ、身体を動かすスポーツ的なことかもしれませんし、もしくは神秘的・スピリチュアル的な世界を散策することかもしれません。または心理学や哲学などを深く学ぶことや、アートや創作活動などを通じて、自分独自の表現方法を見出すことかもしれません。


エンパスの人はその特性を活かして、心理カウンセラーや占い師、サイキック、スピリチュアルな職業などに就くことも少なくありませんが、そのためにはまずは自分自身をネガティブなエネルギーから守る技法を身につけること、オンオフの切り替えを学ぶこと、浄化やヒーリングする技法を持つこと、そして何よりも自分自身の心を癒すことがとても重要です。



自分がHSPまたはエンパスだと感じていたら、ぜひ自分らしい生き方を整えていくために、自分の取り扱い説明書作るプロセスを開始することをおすすめします。まずは自分自身を知るためのワークに取り組んで自分の状態を整えて、そして自分らしい豊かな生き方を見つけていきましょう。高い感受性と共感性を持つエネルギーに敏感な人々は、世の中をより平和で美しい場所にしていくセンスを持っています。周りの人に良い影響を与えることができる特別な力を活かすためにも、まずは自分自身を守るためのワークを始めることを強くお勧めします。




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