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タケノコ日誌(後半戦)*里山シリーズ*

静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は前回に引き続き旬のタケノコ堀りにまつわる、タケノコ日誌。後半戦をご覧ください。


4月11日


3月31日から竹の子堀りが始まり12日目。


タケノコの出具合もピークを迎えつつある。この頃になると、我が家は連日&毎食のタケノコメニューに飽きてきます😅。掘ってはほうぼうに配ったり、郵送したり、タケノコを喜んでいただける方に差し上げる。


連日のタケノコ堀りで、だんだんこちらの持久力も切れてくる。山の表側を巡る前半戦は、エネルギッシュに掘り進むことができるが、後半戦になる頃には「どうかモヒカンを見つけませんように。。。」と願いながら歩いている。でも、見つけてしまう、憎いよ「タケノコ眼」!


これからの後半戦はいよいよ、タケノコ VS 私の忍耐力の戦いなのであります。

4月14日


今日は裏山でタケノコ10個掘り、ずっしりと重くなった背負子にフラフラさせられ持ち帰って来た。う〜・・・😅我が家の冷蔵庫には未だアク抜きしたタケノコが2タッパー分入っている。背負子を背負ったまま、お隣さん家へ向かう。


私:「こんにちは〜!タケノコいりますか〜?」


お隣さん:「ごめんね!うちも近所でもらったからたくさんあるのよ〜。」


私:「ははは〜ですよね〜。。。全然良いんですよ〜〜。」


うちの裏山のタケノコがピークを迎えていると言うことは、つながっている集落付近の山もきっと同じ条件。私は背負子をしょったまま、タケノコを引き取ってもらえる家を探しに遠めの近所へ向かう。


「あたしゃ、たけのこ売りかい!」



4月15日


今日はいつもよりテンションが高め!ルンルンです⭐️

なぜなら、今日は「タケノコ掘り女子会 ❤︎」

参加していただけるメンバーは、ちょっと遠めのご近所女子。ちょっと遠めの近所に住む彼女たちは、畑はやっていても裏山を抱えたエリアではないので、タケノコが手に入らないと喜んで掘りに来てくれた!ワイワイと楽しみつつも、3人でガッシガッシ大きめの40個ほどを堀り、良い汗かいた〜と下山。一緒に掘る仲間がいると、楽しいね!タケノコ掘り女子会、またやろう! 


4月17日


季節は進んでいる。お茶のやわらかい新芽がキラキラ〜とまぶしく、タケノコを掘りながら見とれてしまう。そろそろタケノコの時期も終盤を迎えている。


今更ながら、タケノコを掘ると言うことに触れておく。

タケノコ掘りは、まずはタケノコの周りの土を掘っていく。タケノコの形がしっかりと見え下の赤い点々が3段くらい見えたら根っこをめがけガシッ!とクワを振り下ろし根っこを切る。あいにく我が家の裏山は傾斜やガケも多く、タケノコはなかなかうまい具合には生えてくれない。難しい場所での堀り作業では、タケノコの周りの土を完全には取りきれないので、タケノコが生えている向きや角度から根っこの位置を予想しガシッ!とクワを入れる。


タケノコを差し上げる人たちにバラバラで無残なものをあげるわけにはいかない。赤い点々がきちんと見えるきれいなフォルムのタケノコを差し上げたい!と言う気持ちで、ただただ一生懸命に丁寧に掘る。タケノコ掘り作業は体力も精神力も結構消耗する作業だ。


そうして、丁寧に掘ったタケノコをご近所に差し上げる。

はキレイに掘り出すことができたタケノコ)


ご近所さんたちは、私の掘ったタケノコに喜んでくれて、「はいこれ持っていき〜〜!」っとお返しをくれる時がある。


ある方は、彼女が手塩にかけて育てたみずみずしい新玉ねぎ。

ある方からは、味の濃ゆいニンジン。

ある方からは、今季大漁のシラス。お赤飯を炊いてくれた方もいた。


想いを込め一生懸命掘り出したタケノコを差し上げると、想いが込められたステキな物で返って来る。

こんなハートフルな物々交換、この時期だけでなく里山暮らしでは四六時中行なわれているのです❤︎



4月23日


柔らかい黄緑色のお茶の新芽が、一芯二葉の葉をつけてキラキラとまぶしい。私の意識が新茶の芽に向いてきたということは、タケノコからお茶へとバトンタッチ!の時期。これ以降は食べるためのタケノコ掘りではなく、タケノコが竹になる前に切るという作業になっていく。


毎年4月はタケノコ一色の月になる。この月ほど毎日裏山に入る事は無い。この4月もたくさんの時間を裏山で過ごし歩き回り、タケノコ掘りをしながら繁り過ぎている雑木を切ったり、梅やお茶の木の成長を伺ったりと、ああしたい、こうしたいと雑木林と会話しながらの毎日でした。


裏山は今年も大量のタケノコの収穫をくれると同時に、、、

コロナで渦巻く世の中から私を引き離してくれる。そんな役割もしてくれていました。

家で取り入れる世の中の情報からざわつく心を、一旦裏山でリセット。


雑木林のフワフワな土を踏みしめ

暖かい太陽、心地良い風、鳥のさえずり、木々のみどり、土のにおい

五感全てで自然を感じながら、あ〜地球は循環しているんだな〜

人間もわたしもそんな地球の一部なんだな〜


なんて思いながら、感じながらの裏山めぐり。


これから先、里山がグルグル🌀と循環できるよう上手く共存する術をもっともっと磨いていきたい〜!

裏山をめぐりながら、フツフツと想いを湧き上がらせているのでした。




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