top of page

梅しごと:前半 *里山の暮らし*

静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は、梅干し日記です。2回に分けてお届けします。まずは前半から。


小さい頃から梅干しが大好きで、今でもおにぎりはしゃけより梅派。


ここへ引っ越してきたばかりの春、ご近所さんに地元の梅を使って梅干しの漬け方を教わった。「田舎梅はしょっぱいよ〜!」と直伝されたのは、20%の塩分で漬ける梅干しだった。アク抜きから始まり、一つ一つの手順を一緒にやりながら覚え、その年の秋、初めて漬けた梅干しを食べてみた。


「うん、しっかりしょっぱい^^。」でも1年経つと、しょっぱさの角が取れてきてまろやかになってきた。この集落の女性たちはみんな梅干マスターで、漬け方や塩分も20%や15%とそれぞれに違う。基本の漬け方を習って以来、私も塩分を調節しながらちょうど良い「塩梅」を探している。今年で6回目の梅しごと。最近は、13%の塩分で梅干しを漬けている。


梅はどこから調達するかと言うと、裏山のちょど裏側の「お爺ちゃん大梅の木」から収穫する。何年ものの老木でしょう?たっちゃんに聞くと、


「う〜〜ん、4、50年くらいかな〜?!」


だそう。

4月末、竹の子掘りが終わる頃大梅の木を見上げると、青い実が点々と早くも存在感をアピールしてくる。そろそろ、もろもろ準備しないとだな。梅の木の下をたっちゃんに草刈りしてもらわなきゃな〜〜。





6月4日

午前中、近所のぶどう園のおじさんから、

「梅収穫したから、取りにおいで〜。」と連絡をいただく。


我が家の畑の奥には3年前に植えた南高梅がある。まだ背丈が120cmくらいでいくつか実を付けたが、生き残ったのはたったの1個。ちょい傷ありだけど、大事に収穫。ぶどう園のおじさんにもらった梅と一緒に梅干しにしよう!


今年の梅干し仕込み第一号だ!



6月6日

今週に入り2回ほど裏山の大梅の熟し具合を確認しに行く。

「よし、熟してきている。今週末収穫をしよう!」


土曜日、お天気も良く梅収穫日和。この頃になると、気温もだいぶ暖かく蚊も出始めている。腰に蚊取り線香をぶら下げ、高枝棒、梅の木の下に敷くブルータープ、竹かごを持ちいざ裏山大梅の木へ!


採り方は単純、高枝棒で梅の枝を揺らし、梅を落とす。



「今年は、少ないね〜〜」と言いながら、梅を持ち帰り、きれいなものと傷もので仕分けする。


キレイなものは梅干し用、傷があるものは梅ジュースにする。


収穫は少なめだったので、買ってきた梅をちょい足しし、ちょうど1kgにして梅干しとしてつける。梅が収穫できる量は年によって違う。たくさん採れれば良いけれど、収穫できたとしても虫食いや傷ものもあるので、少ない時は外から足したりと臨機応変に。



梅ジュースは、自家製ハチミツを贅沢に使って作った。夏の暑い日には、梅ジュースのクエン酸が私たちの疲労回復のお手伝いをしてくれるでしょう⬆️⬆️


6月12日

「おばあさんの在所(実家)で梅採ってきたからあげる〜」っとご近所さんが梅を持ってきてくれた。黄色にほんのりと赤みがかっている十分に完熟した大梅。袋から取り出した時からふんわり甘い爽やかな香りが広がる。


一晩アク抜きをして、早速漬ける。



これは、食感の柔らかい良い梅干になりそうだ。今年は、3坪分の梅干しを仕込んだ。


ぶどう園のおじさんからの1kg。

我が家と市販梅合わせた1kg。

ご近所さんの完熟梅1kg。


3種類の梅は梅の木も、収穫のタイミングも違うので、三種三様に味も食感も違う梅が出来るはず。



現在、冷蔵庫に入っている梅は、去年のモノ、一昨年のモノ、そして4年前のモノ。食感もしょっぱさも色の入り具合もそれぞれに違う。置けば置くほど味に深みが増していく梅干し。梅干し作りは奥が深くて面白い。



梅しごとは後半に続く〜〜。後半は、赤ジソの出番からです。。。


※妙絵さんの「里山の暮らし」コラムがよかったなと思われた方は、右下のハートマークをクリックしていただけると嬉しいです。

bottom of page