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欲望のマネジメント



心理学のメンターたちから学んできた生き方のコツの中で、いい人生を作るために心がけるべきこととは「欲望を程よく満たすこと」というものがあります。


まず、欲望とは、食欲から承認欲求まで人間に備わっているもの。欲望が満たされると人は満足感や幸せ、喜びを感じます。欲望を満たすことは人間性を保って生きていくために必要不可欠であり、人間として生きる私たちは、一生を通して自らの欲望と付き合っていくことになります。


でも、際限のない欲望を満たし続けるのは骨の折れる作業。食欲から承認欲求まで、さまざまな欲望を抱えて生きていく私たちの人生は複雑です。美味しいものを食べるともっと美味しいものが食べたいと思ったり、たくさん持っているのにまだまだ足りないと思ったり、もっといい情報が欲しいとリサーチが止まらなかったり、賞賛されても認められても、もっと多くの人に、もっと価値ある人に認められたいと思ったり。


人の欲望は、たとえ満たされてもそれは束の間のことで、自分でマネージメントしない限り次から次へと永遠に足りないものを見つけてきます。「足るを知る」という機能は本来人間には備わっていなくて、自分で意識的に「これで十分」と決めてしまわない限り、永遠に足ることはないようです。 資本主義の世の中は、そんな人の欲望の仕組みをよく理解した形で作られたビジネスの仕組みによって成り立っています。アメリカのデータによると、インターネットの普及によって人は一人当たり、平均して一日4,000から10,000件もの情報や広告を目にするようになっているというのですから、私たちは毎日それはそれは恐ろしい量の欲望の刺激を受けているのです。


自分の人生が欲望満たしの追いかけごっこに費やすことになってしまうと、死を目前にしたときに「あれ、これでよかったのかな?」と疑問を感じてしまいそうです。かといって、欲望を排除しようと闘うことは、それはそれでやはり疲れる、または物足りない人生になるかもしれません。



大切なのは、自分の中で「今はこれで十分」と思える感覚を磨き上げることだと感じます。足るを知る、というのは自分で意識して行っていく練習とコツが必要な生き方であり、感謝の気持ちを持って心を満たすという、生きかた上手の人が行っている習慣のようです。



欲望をほどよく満たしつつも、欲望中心の生き方にならないように気をつけて生きること。欲望のマネジメントは、人の持つ永遠のテーマのようなものです。





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