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心に思いやりの花束を



気がつけば、世界中の人々が同時に命の危険にさらされてるという非常事態になっています。ニュースを追いかけながらウィルスのことを考えていると、たとえ身体は元気でも、心が感染してしまったかのように感じることも。


不安定な世の中で、心の不調が身体の不調になって現れてくる人も多くなる頃です。不安や恐怖のエネルギーはなんらかの形で発散・解消されなければストレスホルモンとして身体の中に残り免疫力を下げてしまうこともありますので、社会全体が感染の拡大を防ぐためにできることをすることプラス、個人個人が心のケアにもよりいっそう気配りするときだと思います。


そこで今日は「自分をいたわること」について。


「最近ちょっと頑張りすぎ?疲れてが溜まっているんじゃない?」


いまこの瞬間、誰かにそう言われたら、あなたならどう思いますか?「そうかも。」と素直に受け取りますか?それとも「いや、まだそこまで疲れてないけど。」と返しますか?


素直に「そうかも。」と感じた方。とてもいいと思います。疲れを自覚できることは素晴らしいスキルです。とくにいまは、特異な状況下で普段とは違ったリズムで生活せざるおえない毎日に、疲れが溜まり始めている頃なのかもしれません。たとえまだ直接的な影響を受けていないという人でも、私たちは皆社会という集団意識の影響を受けて生きている生き物です。世の中の不安定感から、気がつかないうちにストレスを蓄積させていることもあります。


自分の疲労状態を自覚するのは、実は簡単なことではありません。私たちは目に見えて分かりやすいものには自然と意識を向けますが、目に見えていないものを意識することはとても苦手です。とくに自分の疲労状態については、顕著な不調が現れるまで目を向けないことが多いのです。疲労タンクが満タンになりかけた身体と心が非常事態宣言を出してはじめて自分の不調に気がつかされる。世の中はそんな頑張り屋さんたちで溢れています。

本当は疲れが溜まり始めているかもしれない。でも、「いや、まだそこまで疲れてないと思うけど。」そう答えてしまうとき。あなたのその言葉の根底にはどんな思いが潜んでいると思いますか?


たとえば、「こんなの疲れたうちに入らない。コントロール範囲内。」とか、「あの人に比べたら自分なんて全然忙しくないし疲れてなんかいないはず。」という思い。


または、「疲れるって、倒れるまで頑張ることでしょ?」という忍耐強い思考が潜んでいたり、「疲れてることを認めたからって何かいいことがあるの?」と、ちょっとシニカルな考え方が潜んでいるかもしれません。


もしくは、「ここで疲れを認めたら全部がぽきっと折れてしまいそう。」という恐れもあるかも。


人とはとても複雑な生き物です。疲れを認める、自覚するという、一見するとシンプルな行為でさえも、なかなか単純にはいかないこともあります。皆それぞれにいろんな考え方があって、さまざまな事情がありますから、誰かにとってシンプルな行為が、自分にとってはなかなかできないことであっても、それはそういうものですし、いろんな価値観があって当然です。

でも今日、この瞬間、私たちはやはりちょっと疲れてきていると思います。


特異な状況で生活のリズムが変わったことにより発生しているストレスもあります。そしてウィルスという肉眼では見えないものに触れないために普段とは違った気配りをしながら生活する毎日です。大切な人に会うのを控えている方もいるかもしれません。もしくは、大切な人たちと普段以上に長い時間を一緒に過ごすことで、逆に疲れが出ている人もいるでしょう。


また、自分の健康のリスクを負って働いていらっしゃる方もいます。こんな状況下でも社会が回っていくように、皆がそれぞれの場所で、異なる環境と異なる立場の中に身を置いて、その中でベストを尽くして生きる毎日です。


だからいま、私たちは自分の心をこれまでにないくらい大切にするべき時だと思います。


ネガティブな気持ちに翻弄されるのをやめて


自分にダメ出しすることをやめて


完璧にできない自分を責めるのをやめて


怒りや悲しみ、不安な気持ちに襲われしまっても


自分はそれを乗り越える知恵と力が備わっているのだと思い出して


間違いをしてしまうこともある自分を嫌わないで


期待しすぎてしまう気持ちを手放して


コントロールすることができない現状をありのままに受け入れて


自分を優しくいたわって


サバイバルモードに振り回されて疲れた自分を癒して


分からないことだらけの現実を受け入れて


答えを探そうと必死になる頭を解放して自由にしてあげて


自分の限界を優しく受け入れて


周りの人たちの限界も優しく受け入れて


もし誰かを傷つけるようなことをしてしまったなら、その人たちに素直な気持ちを伝えて


もし誰かに傷つけられてしまったなら、その人たちを大きな気持ちで許すことにして


いま体験していることが、自分への天からのメッセージなのだと受け取って


生きることの本当の意味を私に伝えてくれているのだと受け止めて


自分が安全であり、大切な人たちが安全であるように祈りを捧げて


心の痛みや不安、疲れを癒していきます。


自分に備わっている知恵と力を信頼します。


自分にたくさんの愛情を注ぎます。自分にたくさんの親切をします。



生活のスピードを緩めて、1日を通して自分に愛情を注いであげましょう。大切な人に愛情を注ぐように、自分自身に深い愛情を注いであげましょう。


自分に愛情を注ぐと、あなたの人生は必ずその恩返しをしてくれます。


自分をいたわってください。自分を大切にしてください。心を大切にしてください。


あなたよりも大切な存在は、この世界には存在していません。


まずは自分の調子を整えることを忘れずに。大切な人たちのためにも、まずは自分をいたわって、癒して、整えていきましょう。




この記事はマインドフルネスの「慈悲の瞑想(Metta Meditation)」の教えを参考に書きました。自分自身への慈悲の気持ちを持つことの大切さのリマインダーになればと願っております。





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