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自分で選ぶことについて 


意識やこころが敏感になっている人が増えている現在の世の中。毎日の生活を見直したり、これからのことに思いを巡らせたり、自分自身のことや周りの人のこと、そして社会のことなど、多方面にわたっていろんなことが気になり、普段以上に考える機会が増えるこの時期。


そんな中で、今日の自分がどうやってここにたどり着いたのだろうと考えてみるとき、そこには数々の決断や選択があったのがわかります。


たとえば今の自分を取り囲んでいる環境は、これまでの自分が「選んできたこと」によって作られてきたものによって構成されています。家の中の生活用品から衣類、本棚に並べられているもの、冷蔵庫やパントリーの中のものたちまで、選ばれてそこにやってきたものたちによってつくられた自分の世界です。


「自分で選んでないものもある。誰かが選んで、そこに置いていったものとか。」そんな声が聞こえてきそうですが、いえいえ、そんなことはありません。だってそれは自分が「自分以外の誰かや何か」に選ばせることを選択した結果なわけで、そしてそれがそこにあることを静かに「許可」している自分がいるわけで、やはり自分で選んでいるということになると思うのです。

よく聞く言葉に、「身体は自分がこれまで食べてきたものでできている」というものがありますが、身体だけでなく、自分の全部がこれまで摂取してきたものでできているのではと考えたりします。たとえば自分の考え方ひとつをとってみても、これまで自分が関わってきた人たちや、自分が摂取してきた情報(書籍やテレビ、映画、ネットなど)、自分が教育を得てきた場所(学校や塾、習い事、職場など)などの影響を受けているのだと分かります。


幼い頃は自分が影響を受けるものを自分自身で選択できなかったわけですが、大人になった現在、私たちは自分の選択によって自分の摂取するものを選択して、自分の在り方、つまり自分という人間像を作ってゆくことができるわけです。そして自分の在り方は、自分の価値観や人生観などとリンクしているのですから、これからの自分の方向性を決めてゆく材料になってゆきます。


もし、自分の在り方が自分の摂取するものによって変化してゆくのだと信じてみたら、摂取するものをどんなふうに選択していくでしょうか。



どんな人と時間を過ごすことを選び、どんな番組や動画を見ることを選び、どんな場所に出かけるかを選び、どんな本を読み、どんな音楽を聴いて、どんな言葉を話すことを選びますか?


どんな場所に住んで、どんな働きかたをして、何を夢みますか?


どんな感情を大切にして、どうやって嫌な感情と付き合って、どんなふうに心を見つめてゆきますか?


1年後、5年後、10年後の自分が、今この瞬間の自分が摂取するものによって形作られてゆくのであれば、毎日どんなことを意識して過ごしますか?



今この瞬間の自分が選んだことが、次の瞬間の自分の在り方に影響してゆくのだとしたら、今この瞬間の自分の選択は責任重大です。そして同時に、ちょっと楽しくもあります。今この瞬間の自分が摂取することが、次の瞬間の自分自身、そして自分の住む世界を作り出していけるわけですから。


「今この瞬間を生きること」の巨匠、エックハルト・トール氏の言葉に、「自分の意識の状態が自分の人生を創造しているのですよ」というのがあります。


If you are not taking responsibility for your state of consciousness, you are not taking responsibility for life.
『あなたが自分の意識の状態に責任を持てていないということは、自分の人生に責任を取れていないということです。』

自分の意識の状態に影響を与えているのは、私たちの日々の選択です。衣食住を作るマテリアルなものだけでなく、精神的なことや身体的なことも含めて。


どんな選択をすると、もっと自分が自分らしくいられるのかをちゃんと知ることは、忙しい現代社会に生きる私たち人間には簡単ではありません。でもこの時期、普段よりもちょっとスローダウンしなければならないこの時期を利用して、「自分のためにしっかり選ぶこと」を頑張ってみるのもいいかもしれないと思います。


せっかくの人生、この地球での限られた時間を生きる体験なのだから、自分の人生をもっと自分らしく生きていけるように、自分で意識して選んでゆく勇気を持っていたいなと思う今日この頃です。



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