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自分へのご褒美の儀式を



今年も残すところ後一ヶ月。

皆それぞれに色んなことがあった一年ですが、この節目に、これまで頑張ってきた自分自身をお祝いする「ご褒美ワーク」に取り組んでみる提案です。


年の終わりは人生のサイクルの中の小さな節目。「節目を祝うこと」は日本人の文化にさまざまな形で存在していて、儀式として行われています。身近なものでは、たとえば七五三や入学・卒業式、成人式、結婚式、還暦、銀婚式・・・・など、パッと思いつくだけでも数多くの儀式があります。これらの儀式は、たとえただなんとなく参加している場合であったとしても、いずれ振り返ってみたときに記憶の中で「シフト」を意識させてくれる節目として、本人が思っている以上に影響があるものなのです。



儀式が心の健康に与える効果については研究データも多く発表されています。たとえばスポーツ選手が競技の前になんらかの個人的な儀式的習慣を行うことでパフォーマンスが上がる(または失敗が減る)という結果や(参考資料*1)、宗教的な儀式が人の不安減り心が穏やかになる効果があることなど(参考資料*2)、儀式がただの迷信ではなく、心に良い影響を与えることができるのです。


年の終わりのこの時期は、忘年会であったり、大掃除であったり、お正月の準備であったりなど、私たちは節目を祝うための儀式的なことを自然と取り入れた日常を過ごしていますが、心を整えて気持ちよく一年を終えるために、個人的なインナーワークのレベルで、「今年一年頑張った自分自身にご褒美を与えること」というのに取り組んでみましょう。


まずはご褒美の時間を用意してあげること



何かと忙しい師走ですので、自分へのご褒美を何にするか考える時間すらない!という人も多いかもしれません。考えること自体が疲れる、という人だっているのかもしれません。でも、「儀式」とはそもそもちょっと面倒で時間をとるもの。だからこそ、自分自身に「節目」を意識させてくれるし、意識をシフトしてくれるのです。


そこで、ご褒美の第一段階は、「自分への時間を用意してあげること」です。時間は何よりも貴重なギフトです。他の誰のためでもない、「自分だけの自分のための時間」を自分に与えてあげること。誰かや何かに気を遣ったり、自分以外のことを考えて過ごす時間では、自分への時間ではありません。大人になると、自分だけの時間って本当に貴重です。


意識的に「この日のこの時間は自分へのご褒美時間」という決めて行動に移しましょう。ご褒美時間を使って自分に何か物をプレゼントしたいのであれば、ショッピングの時間でもいいですし、心の栄養になる体験をプレゼントしたい場合には、アート鑑賞や読書などの時間を自分のスケジュールに入れるようにしてみる。もっと時間が取れて体力がある人なら、どこかへ旅行することをご褒美にしてもいいですよね。


でも、お金をかけなくてもどこへも行かなくてもできることがあります。それはジャーナリングをしたり写真を整理したりしながら、今年一年を振り返ること。また、頑張ってきた自分に感謝と「セルフラブ」を与えるための、ちょっとした儀式をすることもできます。下記にその儀式の一例を挙げておきますので、ご興味がおありの方は取り組んでみてください。



用意するもの

  • ペン

  • ハサミ

  • 入れ物(瓶や箱など、大切なものを入れておきたいと思えるもの)

所要時間:1時間~2時間


1)心が落ち着ける場所に座ります。誰にも邪魔されたり話しかけられたりしないような、プライバシーのある場所を選びましょう。


2)目を閉じて、静かに大きく深呼吸をします。鼻から大きく息を吸って、ゆっくりと口または鼻から吐き出すという呼吸を、10回~15回繰り返します。


3)目を開けたら、「自分のことで、自分がいいと思えること」を考えて、箇条書きにして書き出します。普段の生活で、周りの人のいいことを見つけて誉めるときにように、自分のことを褒めてあげるとしたら、どんな風に褒めてあげたいでしょうか?「〇〇が素敵」という感じで書き出します。自分の性格や生き方の中で、今日の自分にたどり着くのに貢献してきた長所を考えて、簡潔に箇条書きにしてみましょう。その途中で、心の中に疑いの気持ちや、「でも・・・」とか、他人と比較してみると大したことはないなどの、謙虚さや否定的な気持ちが持ち上がってきてもそれはとりあえず傍に置いておきましょう。


4)最低10個(思いつけば制限なく何個でも書きましょう)書き出します。もうこれ以上何も出てこない、というところまで考え抜いて書き出しましょう。終わったら、それを一つ一つハサミで切りとります。切り取ったものはそれぞれ折り畳みます。


5)折りたたんだ紙を、用意しておいた入れ物の中に入れます。


6)入れ物をよく振って、一枚取り出しましょう。そして、取り出した一枚に書かれているその言葉をしっかりと自分に、声に出して言い聞かせます。


忙しい時間の合間を見つけてぜひ、自分へのご褒美の儀式に取り組んでみてくだい。

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